栗駒ジオパーク
バリアフリー調査

本ページは、宮城県北部に広がる栗駒ジオパークエリアにおいて実施したバリアフリー調査の報告書です。

令和7年度栗駒山麓ジオパーク学術研究等奨励事業
「ユニバーサルツーリズムによる地域資源活用の実践的研究:栗駒山麓ジオパークにおける高齢者・障害者向け観光の可能性(研究代表者:波名城翔)」

車いすユーザーをはじめ、すべての方が安心して観光を楽しめるよう、各施設のスロープ・多目的トイレ・通路幅・展示の見やすさなどを現地で確認しました。

調査は栗駒ジオパークビジターセンターから始まり、道の駅・ミュージアム・ホテル・自然体験施設など計10箇所を対象としています。各施設の写真や詳細コメントを通じて、訪れる方の旅行計画にお役立ていただければ幸いです。

調査箇所マップ

栗駒ジオパークエリアで調査を実施した11箇所をマッピングしています。
マーカーをクリックすると詳細が表示されます。

1

栗駒山麓ジオパークビジターセンター

スロープスロープあり 多目的トイレ多目的トイレあり
栗駒ジオパークビジターセンター 入口

栗駒山麓ジオパーク推進協議会の佐藤英和氏、武田直人氏にお話を伺うことができました。
そもそも「ジオパーク」とは何か、栗駒地区がどうしてジオパーク構想を始めることになったのかお聞きすることが出来ました。
館内の床は全面板張りで段差もなく、アクセス良好でした。

荒砥沢地すべりの模型
図1

ジオパークのメインサイトである荒砥沢地すべりの模型。この他にも模型があり、周辺の地形が立体感をもって表現されていました。館内の展示の高さも車いすユーザーも見やすい位置となっていました。こうした凹凸の多い模型は触察模型にも適していると思います。

くりこまやま 五十万年の物語 映像展示
図2

映像展示で壁面と床面が巨大スクリーンとなっています。壁面から床面まで繋がって映像が流れるので、見ている側に迫ってくるような立体感がある映像でした。映像に字幕があれば、聴覚障害の方も楽しめると思います。外国語用のヘッドフォンが用意されていました。

多機能トイレ
図3
多目的トイレ
オストメイト
乳児用ベッド
シャワー

多目的トイレは、乳児用ベッドやオストメイト用設備が備わっていました。

重要コア展示室
図4

重要コア展示室で、鉱石や地層が展示されており、"ジオ"に触れられます。しかし展示テーブルの間隔が車いすでは、若干狭く感じました。

2

道の駅 路田里はなやま

スロープスロープあり 多目的トイレ駐車場に多目的トイレあり
道の駅 路田里はなやま

1日目のお昼は、自然薯の館に向かわせていただきました。名物の自然薯料理などを美味しく頂くことが出来ました。

図6

館(建物)の入り口で緩い傾斜になっており、車いすでも入りやすい入口です。

図7

土産物店からレストランへの通路は、幅が広くとってあり移動しやすかったです。

図8

レストランのテーブルや椅子は可動式で、その間隔もゆったり広めにとってありましたので、とても利用しやすいです。

図9
多目的トイレ
シャワー

多目的トイレは、駐車場の外にありました。十分の広さがありました。

3

細倉マインパーク

スロープスロープあり 多目的トイレ多目的トイレあり
細倉マインパーク

細倉マインパーク所長の相馬一也氏にお話しを伺いながら視察しました。

図10

観光坑道への通路は、屋根がかけてあり雨や雪をしのげるようになっています。人工芝が引いてありますので、手動型の車いすでは、重たく感じるかも知れません。

図11

観光坑道内の通路は段差、目地もなく車いすユーザーでも楽に移動できるようになっています。
施設内には、坑内事務所を再現したものがあり、作業打ち合わせの音声が地元の方言で流れ、臨場感がありました。
手前に写っているボタンを押すと、作業打ち合わせとは別の音声ガイドが流れるようになっています。

図12

車いすで入れる、バリアフリーの坑道は、途中まででした。これ以降は階段を下っていくため車いすユーザーはここで引き返します。
ここまででも距離が長く、展示も豊富にあるので十分楽しめますが、ちょっと残念にも思います。こういう時こそVR技術が役立つのではないでしょうか。

図13
多目的トイレ
オストメイト
シャワートイレ
乳児用ベッド

多目的トイレも完備されています。乳児用ベッドも備えてありました。

図14

施設内には、食堂・喫茶スペースがありました。机・椅子は可動式で、通路も広めに取られていました。

4

エポカ21(ホテルエポカ)

スロープスロープあり 多目的トイレ多目的トイレあり

栗駒ジオパークを観光する際に、宿泊するならばくりこま高原駅に隣接するエポカ21・ホテルエポカがおすすめです。

図15

客室は、バリアフリールームはないものの、写真のツインルームは30㎡と割と広い客室でした。
ベッドも可動式で状況次第で10数cmは動かしていただけるそうです。

図16

客室の浴室やトイレは、16cmの段差がありました。

図17

食堂は朝食会場となります。机、椅子は可動式でスペースもゆったり広めにとってあります。

図18
多目的トイレ
シャワートイレ

バリアフリートイレは、ホテル1階にありました。多目的トイレ自体は引き戸で十分な広さがあります。

5

くりでんミュージアム

スロープスロープあり 多目的トイレ多目的トイレあり
くりでんミュージアム

「くりでん」とは、栗原田園鉄道を指します。今は廃線になりましたが、ミュージアムとして遺されています。長年に渡って地域住民のアシとなってきた鉄道の歴史を伝えている。

図19

ミュージアムに入る"改札"(入場口)を通り、最初の建屋の出入り口が、扉の両側に敷居の高さに合わせて市販の段差解消スロープが設置されていました。しかし、車いすで走行すると、短い距離で急に昇降することになり身体が前後に振られてしまいました。

図20

展示車両へ乗り込むためには階段となっています。スロープや昇降機はなく、車いすでは、展示車両に乗り込むことは不可能でした。
4月から12月であれば、旧若柳駅に保管してある車両にスロープで乗車できるそうです。
写真にはないが、客車庫には、くりでんの歴史を伝える映像を流すスクリーンがあり、映像を一部見ることができます。ドラマ仕立てで興味深いです。映像には全編字幕が入っていました。

図21
多目的トイレ
オストメイト
シャワートイレ
乳児用ベッド

ミュージアム内のバリアフリートイレは、オストメイト用機能もあり、便座に背もたれがついています。トイレ入口のピクトグラムにオストメイト表示がないようです。

図22

資料館の建物は通路が広く、展示も見やすい高さにあります。

6

わかやなぎ農産物直売所 くりでん

スロープスロープあり 多目的トイレ多目的トイレあり
わかやなぎ農産物直売所 くりでん

ミュージアム視察後に隣接するわかやなぎ農産物直売所 くりでんも視察しました。

図23

食堂の机・椅子は可動式で、車いすでも利用可能です。

図24
多目的トイレ

やや狭いですが、バリアフリートイレがありました。

7

サンクチュアリセンター淡水魚館

スロープスロープあり 多目的トイレ多目的トイレあり
サンクチュアリセンター淡水魚館

サンクチュアリセンター淡水魚館は、登米市の施設であるが、視察に訪れてみました。

図25

館内通路は平坦で広く、車いすでも楽に動けました。2階へ続くエレベーターは、6人乗りで少々狭く感じます。館内には段差もあったが、誂えたスロープが設置してあります。

図26
多目的トイレ

館内は、バリアフリートイレも整備されています。

8

くんぺる農場レストラン

スロープスロープあり
くんぺる農場レストラン

サンクチュアリセンター淡水魚館の近くで、昼食をとりました。

図27

レストランは郷土料理が中心で、室内は広く、車いすでもゆったりと利用することが出来ます。

図28

レストランに隣接する直売所では、地元の食材を使ったお土産を購入することが出来ます。

9

サンクチュアリセンター鳥館

スロープスロープあり 多目的トイレ多目的トイレあり
サンクチュアリセンター鳥館

宮城県伊豆沼・内沼環境保全財団. 白鳥まゆみ氏のお話しを伺い、視察を行った。

図29

伊豆沼・内沼を望む展望席には望遠鏡が並んでおり、車いすユーザー向けであろう、低い位置に設置された望遠鏡もありました。しかし、ここの車椅子によっては、低い位置に設置された望遠鏡が合わず、覗くことはできないことも想定される。
たとえば、望遠鏡の固定を一部解いて、30~50cm程度のワイヤー等でテーブルと繋いだり、ほかに望遠鏡や双眼鏡をお貸しいただけると、汎用性が広がるように思いました。

図30

館内通路は写真のように、十分な幅があり、行動に困ることはないと思います。

図31
多目的トイレ
オストメイト
シャワートイレ
乳児用ベッド

バリアフリートイレも充実しており、縦長の形状ながら乳児用ベッド、オストメイト用設備も完備してあります。

10

サンクチュアリセンターこんちゅう館(つきだて館)

スロープスロープあり 多目的トイレ多目的トイレあり
サンクチュアリセンターこんちゅう館(つきだて館)

このツアーの最後に、サンクチュアリセンターこんちゅう館に伺うことができました。

図32

エントランスはスロープが敷設されているが、写真の通り、エントランスの途中に柱があり、通路が狭まっていました。幅の広い車椅子の場合、注意しつつ通る必要があるでしょう。

図33

1階展示は、壁面展示が多く、非常に見やすくなっています。

図34
多目的トイレ
シャワートイレ

館内の奥の方に、バリアフリートイレがありました。

図35

写真のように、2階へ続く階段であるが、残念なことにエレベーターはありませんでした。
こうした場合にも、前で提示したように、VR技術を用いた展示表示も役立つのではないかと考えられる。